9月11日の市議会一般質問。私は2番目に登壇した。今回の質問事項は4つ。公共交通、ICT、障がい児、秋川高校跡地だ。

最初に公共交通。これは、会派の中で4人が取り上げた。9月1日に会派の考えを公表したが、これに関して4人で分担して質問することになった。私は主に秋川地区での方式の説明をすることになっていた。そこで、まず、「市長案はで交通空白地域が解消されるのですか?→増発増便のみでは解消されません。」「るのバスの増発増便が総合的に考えてベストな選択ですか?→可能性のある一つの方策である。」「いなげやが実施している移動販売サービスは高齢者が買い物をするのにとても役立つ。公共交通充実対策と併せてこのような買い物サービスが充実するようなことも併せて検討してはどうか?→有効な取組であり研究検討していく。」というもの。そして再質問では、秋川地区の方式などを説明したうえで、チョイソコ方式と併せて「秋川地区での循環往来方式を市として検討していただけないか。」という質問に対して「課題はあるが有効な取組である。公共個通検討委員会で検討していく。」という答弁だった。気になったのは市長が「チョイソコには欠陥がある」と言ったこと。私は「私たちはこれが完全なものと思っていない。たたき台として提案した。議論の材料にしていただければよい。不備もあるだろう。市長も欠陥だなんて言わないで公平な目で検討してほしい。」と申し上げた。そして、「手前みそだけど、市民からの評判がよい。市民はこんな具体策を待っていたんだと思う。」と言った。これまで他の会派でも何か主張していたことはあるが、費用は明示せず、市に具体的に提言するまで行っていない。公共交通検討委員会で協議するようになったこともない。私たちは、今回、市には既に提案し、10月の公共個通検討委員会での審議を要望している。副市長も了解してくれた。ただやみくもに良いように思わせることしか市民に伝えないのはずるいと思う。市長がさかんに「るのバスを充実させる。そしてフィーダー交通を実施してるのバスとつなげる。」と言っている。いくらかかるのだろうか。すくなくとも1億以上だろう。るのバスを2台にしてフィーダーが1台もない市長案と、ワゴン車6台でまわす私たちの案とでは現時点で初年度費用が1000万円近くこちらの方が安い。市民はどちらを選択するのだろうか。

次にICT。「短期的中長期的にどのように取り組むのか。⇒様々な取組を列挙」「3年前に提案した業務へのタブレットの利用は。⇒これまでの活用事例を説明」「ICT政策の基軸となるICT方針・計画をきちんとつくったらどうか。」「情報政策の組織を考えたらどうか。」ということ。回答を見ると、総じて今後検討していくということだった。印象は遅いということ。ICT政策の積極的な推進は全体的に見ても遅れているのにこのあきる野市の意識では、人材、モノの取り合いの荒波にもまれ苦しむだろう。今回の小中学校パソコン一人一台みたいに。肌感覚で危機感を感じている。なのでいち早く情報政策に精通した人材を呼び込んだ方が良い。ICOとして。そしてその意見も聞きながら、情報政策課を構え担当課長とスタッフを置くべき。一刻の猶予もないと思われる。

次に障がい児。「施設側でどれくらい障がい児を受け入れていますか。⇒私立幼稚園約5%、認定こども園約4%、認可保育所約1%」「施設側の持ち出し経費についてご存知ですか?→把握していない。」「東京都の私立幼稚園認定こども園全体で受入率は約2%、あきる野市の私立幼稚園と認定こども園で併せて約4%の障がい児を受け入れている。東京都平均の2倍の数値。これは、あきる野市内の私立幼稚園等はがんばって障がい児を受け入れているということになると思う。ところが、ひとりの障がい児を受け入れるのに幼稚園側の持ち出し経費は、1号児で約40万円、2号児で約120万円となっている。施設側が障がい児を受け入れることに逡巡するようなことがなくなるような配慮をすることが求められる。財政支援を検討していただけないか。⇒施設側の話をよく聞いて検討していく。」私としては、今回のある意味、市民ニーズを踏まえたものとしては、これがメインになったかもしれない。
お金があればそれはできるかもしれない。都内26市のうちで障がい児関係の補助金を実施しているのは19市。財政的に豊かなところだ。だからあきる野市でやっていないのも分かる。でもあきる野市は障がい児がどんどん増え、あきる野学園が拡張することでさらに増えてくるだろう。また、私立幼稚園などが経営を削りに削ることがあってはならないと思っている。

そして、思いがけず今回の目玉になったのが秋川高校跡地について。
数日前から市長与党会派のある議員から電話があった。そして、前日のO議員の質問では、なぜか私を挑発するような発言をしていた。私がこの質問をするのが気に障るのかもしれない。

質問は「市長が特養の誘致を表明したことで東京都とこれまで進めてきた調整がストップした。市長誕生から1年間、これまでの跡地活用についての成果はあるのか。⇒ない」「この問題はセンシティブかつ困難なため職員にまかせきりはだめ。市長のリーダーシップが重要。市長はどのようにリーダーシップを発揮してきたのか。⇒職員に指示してきた」「今後のロードマップは?→市長が研究中」「半年前の3月議会で、市長が都との調整を止めたことでどれくらいの遅れが出ているのか?と質問したところ、1年の遅れが出ている。仮に特養を誘致することになった場合は、跡地検討委員会の審議、一から東京都との調整を始めることを考えると、4-5年の遅れが出る、ということだった。絶望的。コロナがあったにせよ、この半年調整はストップしたまま。そうなると、1年よりさらに遅れが出ているのではないか。」⇒当初は都市整備部長が、さらに1年延びた。と答弁するはずだった。しかし、ここで市長が颯爽と登場。「引継ぎを見たら契約をやっていなかった。」と自分の前の市長が仕事をやっていなかったせいだと答弁し始めた。そんなことは聞いていない。おまけに引き継ぎ書の中身をべらべら話し出す。こんな企業が予定している、と個別の企業名を言い出す。これは後ほど発言の取り消しがあり議事録からは削除された。あっけにとられる。

時間が残りわずかになり最後の質問。「昨日の合川議員、奥秋議員とのやり取りを聞いていると、市長の頭の中には、跡地への特養の誘致は、ないんじゃないか、と思うのだが、どうなんですか?」と聞いた。すると、最初は「そんなことはない」とおもわれるような言い方だったが、最後には「特養を誘致せず産業系誘致にする」と答弁してきた。キターーーーーーー。公約撤回だ。
与党会派の質問には「福祉施設はひとつの選択肢。それ以外の事の可能性も研究している」ということだった。特養は捨てていなかった。しかし、今回の私の質問に対して「特養はない」と言ってしまった。私は野党だ。与党を超えるような答弁があるはずない。しかし、予想外男村木市長はやってくれた。

終了後、私の聞き間違いかもしれないので、市役所の幹部数人に同じことを聞いた。「市長は特養誘致しないで産業系誘致と言ったよね。」と聞くと、全員「そう聞こえた。」とのこと。うーーん、ナイスパスもらった。区画整理事業に続いて秋川高校跡地についても、いったん止めてまた元に戻る、という一番情けない、遠回りの事をやらかした。

これには、与党会派の大物議員が怒っていた。N議員と市長の怒鳴り合いに怒っていたO議員だが、終了後、H議員に何やら文句を言っていた。「バカヤロー」と、そしたら、何も言っていない私に矛先が向いて「親父が土地政策を失敗したんだ。バカヤロー」と議場内で言ってきた。村木派の傍聴者が「そうだ」と笑いながら応じる。議場内でみっともないと思い、無視した。すると、会派室の前で待ち構えていた。また、「お前は分かっていない。親父は失敗したんだ。(同じようなことをするな、と言いたいのか?「そのつけを払うために動いているんだ邪魔するな」と言いたいのか、分からない。)だから私は「Oさん、私にどうしろと言うんですか?お父さんは間違ってますと公表しろと言うんですか?」と申し上げた。返答は、よくわからないものだったし、覚えていない。もしかしたら、私は恫喝すれば従うと思っていたのかな。すると、H市議が「親父さんとは別人格ですから」ととりなしてくれた。

とかくこの問題に触れてほしくなかったのだろう。私が質問しなければ穏便にいっていたものをほじくりやがって。おかげで市長が余計なことを言ってしまった。と思っているのだろう。傍聴していた方々は「●●●みたい。怖い。」と言っていた。市議会議員とはこんなものだと示す良い例だ。しかし、トータル的に考えて、今回の私は質問の時から冷静だった。おかげでO議員の挑発もスルーしたり相手の土俵に乗らなかった。私がプツンとしたら、アウトだっただろう。